「誤作動」という言葉について

施術をしていると、
「体そのものが悪いとは思えないのに、同じような痛みや不調がくり返し出てしまう」
という方に、何度も出会います。
病院で検査を受けても、大きな異常は見つからない。
一方で、診断名がついて治療やリハビリを受けていても、
なかなか変化しないという方もいらっしゃいます。
そのような状態は、めずらしいことではありません。
その様子を見ていると、
「体が壊れている」
「どこかが悪くなっている」
という言葉だけでは、うまく説明できないことがあると感じるようになりました。
体は思っているより順応性があり、
本来は回復しようとする力を持っています。
一方で、脳や神経は、一度覚えた反応をくり返してしまうことがあります。
当院では、このような
体を守るために続いている反応を、
「脳の誤作動」
または
「脳・神経系の誤作動」
という言葉で表しています。
これは、体を責めるための言葉ではありません。
今起きている状態を、必要以上に悪いものと決めつけずに見ていくための言葉です。
誤作動=悪いもの、ではありません

「誤作動」と聞くと、
間違っている、うまく働いていない、という印象を持たれるかもしれません。
ただ、当院でお伝えしている「誤作動」は、
そのような意味ではありません。
多くの場合、その反応は、
もともと体を守るために働いていたものです。
たとえば、
- 緊張する場面で体が固まる
- 不安を感じたときに体に力が入る
- くり返し負担がかかった場所が敏感になる
このような反応自体は、不自然なものではありません。
ただ、その反応が長く続いたり、
必要以上に出やすくなったりすると、
痛みやこり、息苦しさ、めまい、不眠、書きにくさなど、
さまざまな不調として感じられることがあります。
つまり、誤作動とは
「体がおかしい」という意味ではなく、
体を守る反応が、少し過敏になったり、続きやすくなったりしている状態
と考えていただくと、わかりやすいと思います。
どのようなときに起こりやすいのか

脳の誤作動は、特別な人だけに起こるものではありません。
多くの場合、
特定の場面や状況で、体が先に反応してしまう
という形であらわれます。
たとえば、
- 緊張する場面になると体が固まる
- 同じ動作をくり返すと痛みが出やすい
- 不安を感じると呼吸が浅くなったり体に力が入る
- 忙しい時期や季節の変わり目に不調が強くなる
このように、
「いつも同じようなタイミングで起こる」
という共通点が見られることがあります。
一方で、慢性的な痛みや緊張のように、
「ずっと症状がある」と感じている方もいらっしゃいます。
来院される方の中には、
「いつも不調があるのが当たり前になっていた」
とおっしゃる方も少なくありません。
ただ、詳しくうかがっていくと、
症状の強さや反応の出方に波があることも多いです。
脳の誤作動は、
一瞬だけ強く出ることもあれば、
気づかないうちに続いていることもあります。
大切なのは、良い悪いで判断することではなく、
今の体がどのように反応しているのかを知っていくことだと考えています。
てんびんカイロの施術で大切にしていること
てんびんカイロでは、
症状を無理に変えようとしたり、
反応を力で抑え込もうとしたりはしていません。
まず大切にしているのは、
今、体がどのように反応しているのかを確認することです。
同じ症状でも、
つらさの出方や体の反応は一人ひとり違います。
そのため、決めつけず、急がず、
そのときの体の様子を丁寧に見ていきます。
施術では、
強く押したり、無理に動かしたりすることは行っていません。
体の反応を確認しながら、
今の体が受け取りやすい刺激で整えていきます。
そのため、
「強い刺激の方が効いた感じがする」
という方には、少し違うと感じられることもあるかもしれません。
一方で、
「できるだけやさしい方法で見てほしい」
「自分の体の反応を確かめながら進めたい」
という方には、合いやすい施術です。
誤作動を「整える」という考え方

当院でお伝えしている
「誤作動を整える」という言葉には、
無理に症状を消したり、反応を押さえ込んだりする意味はありません。
誤作動は、
体がこれまで続けてきた反応でもあります。
そのため、無理に押さえ込もうとすると、
かえって体が緊張してしまうこともあります。
そこで当院では、
誤作動をなくすというより、
体が本来の反応に戻りやすい状態を整える
という考え方を大切にしています。
体の反応が少し落ち着いてくると、
過剰だった反応がやわらぎ、
必要なときだけ働ける状態に切り替わっていくことがあります。
整えるとは、
何かを無理に足すことではなく、
体が自分で調整しやすくなる余地を広げていくことだと考えています。
また、体の反応はつながっているため、
一つの反応が整ってくることで、
ほかの不調や別の場面での反応が変わってくることもあります。
このような考え方については、こちらでもご紹介しています。
このような方には、わかりやすい考え方です
この「脳の誤作動」という考え方は、
すべての方に合うわけではありません。
ただ、たとえば次のような方には、
わかりやすく感じられることが多いと思います。
- 原因がはっきりしない不調や、検査では大きな異常はないと言われたけれど、つらさが残っている方
- 診断名はあるけれど、別の視点から体の反応も見てみたい方
- 強い刺激や無理な施術に不安がある方
- 症状だけでなく、体の反応そのものを整えていきたい方
一方で、
- すぐに症状だけ取ってほしい
- 強く押してもらった方が効いた感じがする
という方には、合わないと感じられることもあります。
てんびんカイロでは、
どちらが正しいという考え方ではなく、
ご自身に合うかどうかを大切にしています。
まとめ
脳の誤作動という考え方は、
体を悪いものと決めつけるためのものではありません。
「なぜ同じような不調がくり返されるのだろう」
「検査では大きな異常がないのに、なぜつらいのだろう」
そのようなときに、体の反応を別の角度から見ていくための考え方です。
このページが、
ご自身の体の状態を少し整理するきっかけになればうれしく思います。
すぐに何かを決める必要はありません。
ただ、もし
「この考え方は自分にも関係があるかもしれない」
と感じられたら、
てんびんカイロプラクティックを相談先の一つとして思い出していただけたらと思います。
脳・神経系の誤作動による症状について
体の反応の偏りや過敏さは、
さまざまな形の不調としてあらわれることがあります。
たとえば、
- 首が傾いてしまう
- 字を書くときに手に力が入りやすい
- 声が思うように出にくい
- スポーツや仕事で体が思うように動かない
- ぎっくり腰をくり返しやすい
- 腰痛や足のしびれが長引きやすい
- 肩や首のこりがくり返しやすい
- 頭痛やめまい、不眠、自律神経の不調が続きやすい
このようなお悩みも、
体の反応という視点から見ていくことがあります。
それぞれの症状については、こちらのページでご紹介しています。
▶︎腰・下半身の痛み
▶︎膝・足の不調